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太陽と月の神話 第168 回 太陽と月の娘、または七つの星の誕生 [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回はスウェーデンに伝わる月と太陽にまつわるお話です。


天にすむ太陽と月には星のように美しい娘がいました。
娘は天の素晴らしさをみてしまうと地上の様子がみたいと思うようになりました。
地上に降りることを何度も願い、
地上の子どもには気をつけるように両親にいわれて、
娘はようやく許しをもらいました。

娘は喜んで地上に降りていき、貧しい老婆の家にやってきました。
老婆は娘の美しさに心を奪われ、宮廷にいって娘のことを話しました。
その間、娘はひとりで老婆の家の糸紡ぎをしていました。
娘の手にかかると糸は純金になりました。
人々は娘を一目見ようと老婆の家に急ぎます。
母親である太陽が娘に迫った危険を知って、窓から暖かい光を投げかけたので、
娘は地上の事をすっかり忘れて天に昇って行きました。
宮廷の人と老婆が家についたときは、老婆の古ぼけた糸車に
黄金の糸が残っているだけでした。

しばらくすると太陽と月の娘はまた地上に降りたくてたまらなくなりました。
地上の子どもに気をつけることを約束して娘はふたたび地上に降りて行きました。
娘がまたあの貧しい老婆の家にいくと、老婆はなおいっそう娘の美しさに心を奪われました。
老婆は娘があらわれたら知らせることになっていたので急いで宮廷に行きました。
人々が駆け付けるのをみた太陽は熱い光で娘の里ごころをよびさまし、
娘は天にいる両親のもとに戻って行きました。
後に残されたのは、糸車の黄金の糸だけでした。

太陽と月の娘はしばらくするとますます地上が恋しくなりました。
何度も頼んでいつものように地上の子どもに気をつけるようにいわれて、ようやく娘は許しをもらいます。
地上におりると娘はみたび老婆の家にいきました。
老婆は娘の美しさに心を奪われ、娘がやってきたことをすぐに宮廷に伝えに行きました。
老婆はたっぷりの報酬を約束されていたのです。
人々がかけつけたときには、娘はまだ老婆の家で糸をつむいでいました。
糸はすべて黄金になっていました。
誰もがこの世のものとは思えない娘の美しさに驚きました。

ひとりの若くりりしい廷臣が熱い心で娘に近付きました。
母である太陽は娘をとかすほどに窓から照りつけましたが、
娘は母の警告も、天の事も忘れ、地上の子の思いを受け入れました。
しかし、誰ひとり、娘の両親のことを聞きだすことはできませんでした。

娘は地上で夫とともに幸せな日々をすごしました。
夫は娘を心から愛し、娘は六人の子供に恵まれました。
娘は地上の言葉を話すことはなく、沈黙したままでした。
夫がどれほど頼んでも、娘の素性を知ることはできませんでした。
娘の素性を知るために占い師が花壇を美しい花々で飾り、
花の陰に隠れて様子をうかがっていると、
花園を散歩していた太陽と月の娘は、数ある花の中からいちばん美しい花を選び、
「私は太陽と月の娘、この花を天にほしいわ!」
娘の秘密を知った人々はとても喜びました。

それから長い時間が流れ、
ある晩、太陽と月の娘が六人の可愛い子供と草原を歩いていました。
父である月がこうこうと輝いていました。
娘はたまらなく、天が恋しくなりました。
娘はひざまずいて心からお願いをしました。
「お父さま、私と子供たちを天にいかせてください。
私は天の星となりたいのです!」

父は娘の願いを聞き入れて、娘を許し、娘と子供たちを天にひきあげました。
天で娘も子供たちも太陽と月のそばにいて七つの星となって永遠に輝いています。


参考文献 世界の太陽と月と星の民話 外国民話研究会 三弥井書店

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