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太陽と月の神話 第167回 天の犬が魔法の草を追う [太陽と月の神話]

月の魔女・小泉茉莉花です。

太陽と月にまつわるお話は世界中にたくさんあります。
太陽と月の魔女ブログでは、そんなお話をご紹介していきたいと思います。
今回は中国に伝わる月と太陽にまつわるお話です。

昔、ある夫婦が仲良く暮らしていました。
でも、夫が皮膚病にかかり全身が、かさぶたに覆われると、村人は男をばかにし、
妻までも世話を嫌がるようになりました。

このことで、男はたいへん苦しみましたが、村にいてもつらいので山に隠れることにしました。
男は山に入って、皮膚病を治すために、薬草を探して、山中を歩きまわりましたが、
どんな薬草を試しても、効き目は現われませんでした。
それで、蛇の肉が皮膚病に効くときいてからは蛇を捕まえて食べていました。

ある時、男は竹林で一匹の蛇を捕まえて、輪切りにして土鍋にいれて、薪をとりにでかけました。
帰ってきて、火をくべようとしたら、しゅっと音がして、一匹の蛇が一本の草をくわえて、
小屋に入ってきました。

蛇は頭をあげて、土鍋の周りをぐるっと回ると尻尾で鍋をひっくり返しました。
蛇の肉が転がりでるとくわえてきた草でひとつひとつこすって、つなげていきました。
それから三声なくと、死んだ蛇が生き返りました。
二匹の蛇は並んで竹林に消えて行きました。

二匹の蛇が去った後、男はこんなにすごい力がある草は魔法の草に違いないと思いました。
死んだ蛇を生き返らせることができるなら、自分のこの皮膚も治るに違いない。

蛇が残していった草を拾って、体にこすりつけました。
こすったところはたちまち元のきれいな皮膚になりました。
全身すっかりきれいになると、男は荷物を片付けて喜びいさんで家路につきました。

途中、死にかけたカササギを魔法の草で助けたり、家で飼っていた黒犬が道端で
撃ち殺されていたのを生き返らせて、一緒に家に帰りました。
村人も男の皮膚がすっかりきれいになったのをみて、また親しくつきあうようになり、
妻も夫を大事にしました。
男は山からとってきたさまざまな薬草とこの魔法の草でたくさんの人の命を救い、
薬草医者として名をはせました。

男は魔法の草を大事にしていて、使い終わるとすぐに箱にしまって、妻にも
ふれさせませんでした。

ある日、村で重病人がでて、その息子がよびにきたが、男が留守だったので
妻は親切心から魔法の草がしまってある箱をとりだしました。

妻はあわてて歩きながら、箱をあけましたが、庭にでたとき、うっかり転んで箱を落とし、転んで
魔法の草が放り出されました。
草はたちまち太陽に奪われました。
太陽は手にいれた魔法の草を月にも貸しました。

太陽と月は二度と病気にかからなくなり、以前にもまして明るくなりました。

男は魔法の草が奪われたと知り、妻を怒り、犬と一緒に取り戻しにでかけます。
男は庭に百節参天樹という木を植えて、妻に毎晩、泉の水をかけるように言いつけました。

この木はまっすぐ天にむけて伸びていきました。
男はしっかり木に抱きつきました。
木はどんどんのびて家も山もはるか下にみえるようになりました。

木はまっすぐ雲の中に入って、天宮に近づきました。
とうとう連れていった犬がまちきれなくなって、上に飛び乗って、天宮につきました。
男はまだあがれず木にしがみついていました。

妻は夫のいいつけどおり、毎日毎晩、泉の水をやってきました。
妻は木がどんどん成長して、雲の中にはいってみえなくなったので、
夫はもう天宮についたと思い、泉の水ではなく、米のとき汁を木にかけるようになりました。

このため根っこが腐り、木が倒れました。
夫は空からふりおとされ、落ちてぐちゃぐちゃになりました。

黒犬は主人が空からおちるのをみて驚き、主人を救おうと太陽にかみつき、月にかみついて
魔法の草をとりかえそうとしました。

以来、この犬を「天狗の犬(天の犬)」とよぶようになり、
天の犬が太陽をかじるのを日食、月をかじるのを月食とよびます。

太陽と月は犬にえさをやってご機嫌をとって眠らせます。
こうして数年は静かに暮らしますが、犬は主人思いなので優しかった主人を
いつまでも忘れず、目をさまずたびに太陽と月をおいかけてかじっては
魔法の草をとりかえそうとしています。


参考文献 世界の太陽と月と星の民話 外国民話研究会 三弥井書店

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